自費入れ歯と保険入れ歯の違い

入れ歯治療を始める際には、保険診療の入れ歯にするのか、保険外診療(自費診療)の入れ歯にするのかをきめていただくことになります。「費用」「治療にかける時間」「材料・素材の違い」の3点についてお話ししたいと思います。

費用に関して

保険診療とは、国で定められた最低限を保証する治療となり、生活に支障のないレベルを回復するという考えに基づいております。そのため、保険診療の特長としては、費用負担が少ないことが挙げられます。保険診療の入れ歯の費用は、1割~3割の負担となります。一方保険外診療(自費診療)は、入れ歯の材料・素材の選択肢が広がり、審美性や装着感、機能性など、「生活の質」をより向上させることができます。ただし、費用負担は保険診療に比べて、高額となります。

治療にかける時間に関して

「時間」とは、入れ歯が出来上がるまでの時間です。つまり、この時間とは、診療にかける「時間」、そして技工にかける「時間」で、大変な手間隙がかかっています。ここで診療にかける「時間」についてお話しします。
入れ歯は歯肉の上に装着しますが、この軟らかい歯肉を1回きりで型取りすることはとても困難です。時間をかければ、より精密な型取りを行うことができます。また、入れ歯の治療の患者さんは、残存歯数が少ないため、噛み合わせが不明瞭な方がほとんどです。時間をかければ、より細部まで丁寧な確認工程を行うことができ、噛み合わせの場所を調べることができます。保険診療の入れ歯の場合、生活に支障のないレベルの原状回復を目的のため、型取りや噛み合わせの確認に時間をかけることはできません。保険外診療(自費診療)の入れ歯の場合は、私の今までのすべての経験を生かして精密な型取りや噛み合わせの確認作業を行うことができます。
また、患者さんが、歯科医院におられる時間は短いかもしれませんが、その裏(技工作業)ではものすごく手間と時間がかかっているのです。保険外診療(自費診療)の入れ歯となると、型取りや噛み合わせの確認もしっかりと行える上、治療途中の技工物も大きな違いができるので、最終技工物すなわち入れ歯自体にも大きな違いが出てきます。

材料・素材の違いに関して

保険診療の入れ歯には、歯に引っ掛ける金具の形態、義歯の材料・設計にも決まりがあります。ゆえに強度・適合に限界があります。入れ歯の床や人工歯にはプラスチックしか使えません。毎日使うことですり減ってしまうので、1~2年で作り替えたり、直した方が良い場合もあります。
部分入れ歯は、クラスプ(歯にかけるばね)には金属しか使えないので、見た目の悪い入れ歯となります。また、素材はプラスチックしか使えないため、厚みが必要となるので、違和感や不快感も多く、痛みが出ることも多く、快適な入れ歯が困難な時もあります。

保険外診療(自費診療)の入れ歯自費の入れ歯には、健康保険で使用できない材料や素材を選ぶことができますので、最適な入れ歯をご提案することができます。
まず、入れ歯の床には、シリコンや金属を選ぶことができます。部分入れ歯であれば、クラスプ(歯にかけるばね)に目立たない材料・素材があります。機能性・装着感の良い磁石式入れ歯にすれば、その性能を生かして機能性・装着感・見た目の良い入れ歯も作ることもできます。また、厚もが少なく、違和感や不快感、痛みが起きにくく、快適な金属床入れ歯を作ることもできます。
さかの歯科では、それぞれの患者さまの口を拝見させていただきます。そしてその方のご希望に合った入れ歯をご提供させていただきます。

保険診療の入れ歯は費用負担が少ないことが挙げられ、保険外診療(自費診療)の入れ歯自費の入れ歯は、材料や素材に制限は全くありませんので、私の経験を生かして、様々な入れ歯の種類中から、患者さんの希望やお口の状態を見て、最適な入れ歯をご提案することができます。
「食べることにストレスがある」「現在使っている入れ歯が合わない」などのお悩みがある方は、ぜひさかの歯科へ自費の入れ歯をご検討ください。

自費の入れ歯

自費でつくる入れ歯とは?

自費の入れ歯(義歯)は、保険の入れ歯(義歯)が抱える問題点を、材質や構造などを見直すことで改善した入れ歯(義歯)です。保険制度の制約がないため、見た目(審美性)や安定性、装着感の良さなど色々な工夫がなされた最良の入れ歯ができます。

自費でつくる入れ歯の種類

自費の入れ歯には、素材も仕組みも様々なものがあります。さかの歯科で取り扱う代表的な自費の入れ歯をご紹介します。

金属床義歯

金属床義歯とは、強度に優れた金属を床に用いている入れ歯のことをいいます。入れ歯のたわみもないため、残存歯にも優しい入れ歯になります。

磁石式入れ歯

磁石式入れ歯(マグネットアタッチメント義歯)は、入れ歯の土台となる歯根に「磁性金属(キーパ)」を取り付け、入れ歯側に「超小型磁石」を埋め込んだ入れ歯です。この2つの磁石の吸引力で入れ歯を吸着させることができます。

シリコーン義歯

シリコーン義歯(シリコンデンチャー)とは、歯ぐきに触れる部分(入れ歯の内面)に弾性シリコーン(軟らかい素材)を使った入れ歯のことをいいます。

ノンクラスプ義歯

ノンクラスプ義歯(ノンクラスプデンチャー)とは、クラスプ(歯にかけるばね)の代わりに、歯肉に近いピンクの樹脂によって固定する部分入れ歯です。

自費でつくる入れ歯の特徴

【人工歯】
天然歯の代わりになる部分です。患者様それぞれに最も合うような色、形を選んでいただけます。

【歯肉部】
歯茎の代わりになる部分です。汚れがつきにくい、装着感もよい形になります。そのうえご要望にあわせた形にすることも可能です。

【床】
口の中の粘膜に密着している部分です。金属を使用した場合は、薄く装着感をよくすることができます。軟らかい素材で作ることもできます。

【維持装置】
入れ歯を残存歯に固定する装置です。残存歯に必要以上の負担をかけず、歯を長持ちさせることができます。種類によっては、外から留め金が全く見えないので、とても見た目をよくすることができます。

保険の入れ歯

保険でつくる入れ歯(義歯)とは?

保険制度を適用してつくる入れ歯(義歯)には、材料や構造に制約があります。審美性、薄さ・適合性・頑丈・歯に優しい・良く噛めるなどの機能性は、自費の入れ歯(義歯)と比較するとどうしても劣ってしまいます。
部分入れ歯の場合には、レジン(プラスチック)でできた床という土台の上に人工歯を並べ、それを金属のバネで固定するという仕組みになります。総入れ歯には、レジン(プラスチック)のみでつくるため、厚みが厚くなります。しかし、経済性を考慮すると、コストパフォーマンスに優れた入れ歯といえます。

保険の入れ歯も手を抜かずに作ります

保険診療の範囲となりますので、材料が限られています。しかし何となく作ったり、ましてや中国の歯科技工所に出したりなどは一切しておりません。設計などにもよりますが、ほぼ全ての入れ歯を滋賀県の義歯専門の歯科技工所で作っております。

入れ歯(義歯)へのこだわりから、さかの歯科の院長が保険の入れ歯の作成を最終的に選択した入れ歯専門の歯科技工所が滋賀県の歯科技工所です。保険診療という限られた材料の中で 「保険の入れ歯」という概念にとらわれずに、歯科医師の指示を確実に受けてくれる歯科技工所です。
*義歯の完成までに2、3回ほど京都と滋賀を往復しますが、郵送などにかかる費用などはもちろん当院が負担いたします。

保険の入れ歯の費用

保険の規定通りなので、その義歯(入れ歯)によって、費用は細かく異なります。概ね3割負担でお話します。部分入れ歯で、3,000円~8,000円程度。入れ歯で、高くても10,000円程度となります。

もちろん、義歯製作前の歯のクリーニングや虫歯の処置や入れ歯製作途中の費用は含まれておりませんが、何十万円もするなどのことはありませんので、どうぞご安心していらっしゃってください。

さかの歯科の保険の入れ歯のデメリットは?

もちろん、保険診療の材料には限界があります。どれだけ歯科医師と歯科技工士が頑張っても、「金属のバネを使用して硬いピンク(プラスチック)の素材」を使うことになります。保険診療の枠を超えた素材を使った様々な自費治療の入れ歯(義歯)も取り扱っており、さかの歯科ではその症例数も豊富です。
各種サンプルなども用意しておりますので、ご興味のある方はおっしゃってください。
もちろん、初めて入れ歯(義歯)を作られる方や、今まで保険の入れ歯で満足していた方に無理に勧めることは絶対にありません。
お気軽にご相談ください。

総入れ歯と部分入れ歯の違い

総入れ歯(フルデンチャー)

その名の通り、歯をすべて失った場合に用いる入れ歯をいいます。歯ぐき(顎堤)で入れ歯を支える構造となるため、より安定感のある入れ歯つくりの技術が必要とされます。保険治療の場合には、プラスチックの総入れ歯となり、コストを抑えたい場合にはおすすめです。

保険外治療の場合には、薄くて快適なもの、ピッタリ固定できるもの、痛くなく噛めるもの、様々なタイプのものがあります。
新しい入れ歯は、装着直後には痛みや不具合が出ることがありますので、数回の調整が必要になります。

部分入れ歯(パーシャルデンチャー)

部分的に歯を数本単位で失った場合に用いる入れ歯をいいます。ブリッジが不可能な場合は部分入れ歯(パーシャルデンチャー)になります。

保険治療の場合には金属の「ばね」が付いたタイプの部分入れ歯で、床がプラスチックでできたものとなり、コストを抑えたい場合にはおすすめです。保険外治療の場合には、薄くて快適なもの、ピッタリ固定できるもの、痛くなく噛めるもの、審美性のよいもの、様々なタイプのものがあります。健康な歯が1本でも残っていることが条件となります。