抜けた歯を補うためには、どんな治療がいいのか悩むところですよね。

特に大きく削らなくて済む治療としてメリットの大きい入れ歯とインプラントで悩まれる方が多いかと思います。

今回は歯が抜けた部分を補うための治療法について、歯を傷つけにくい入れ歯とインプラントに視点を当ててご説明します。

入れ歯とインプラントどっちがいい？歯が抜けた時に考えるオススメな治療法について

入れ歯とインプラントは全然違う治療法です。

結果から先にお伝えするとどちらも残りの歯に負担を与えにくい治療なので、お口の検査が問題なければ最終的には患者様のお好みで治療が可能です。

まずはそれぞれの大きな特徴や違いについて理解し、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で治療方針を立てる必要があります。

患者様お一人お一人の歯に対する考え方や、ライフスタイルによってどちらがその方にあっているかが決まります。

 

入れ歯の特徴

入れ歯は失った歯が1本～全ての歯まで対象に治療が可能です。

基本的には失った歯のスペースに、部分的な入れ歯を入れることで審美的な部分や咀嚼などの機能的な部分を補います。

使っている時に煩わしさを感じることもありますが、お口から取り外して入れ歯の調整を行うことができるので患者様の負担を少なく治療や調整を行うことができます。

入れ歯のメリット・デメリットとは？

以下に入れ歯のメリットをご説明します。

入れ歯のメリット

・治療期間がインプラントと比べると短い

入れ歯の治療は１本だけの場合、最短１週間程度で仕上がります。

急いで治療を済ませたい方にはオススメです。

失った歯が多く、大き目の入れ歯を作成する場合は何度かご通院いただき仕上がりまで１か月ほどかかる場合があります。

それでもインプラント治療よりも治療期間は短く済みます。

 

・価格が安い・保険適応

入れ歯は保険診療の範囲内で作成することができますので、比較的安価に作成することが可能です。

しかし保険の決まりで一度入れ歯を作ったあとは、半年間新しい入れ歯を作成することができません。

保険診療外の自費で入れ歯作成することもできます。

その際は期間も関係なく、予備の入れ歯を作成するなど自由に治療が行えます。

また、自費の入れ歯は磁気タイプのものや、内面に柔らかいクッションを引くなど保険診療では作成できないような快適さを追求することができます。

 

・入れ歯の調整は口腔外で行う

入れ歯は取り外し可能なので、痛い時や適合が悪い時は歯科医院で調整します。

その際お口の外で歯科医師が調整するので、お口をずっと開けておく必要はありません。

顎が痛みやすい方や、大きくお口を開けておくのが辛い方、歯科治療が苦手な方は入れ歯作成をお勧めいたします。

 

・衛生的に使用できる

入れ歯は取り外して流水下で洗浄する、洗浄剤につけるなど消毒することもできます。

隣り合う歯も歯ブラシが直接届くので、丁寧にブラッシングすることができます。

入れ歯も残りの歯も衛生的に使用できることもメリットの一つです。

 

入れ歯のデメリット

以下に入れ歯のデメリットを説明いたします。

 

・入れ歯独特の不快感がある

入れ歯は取り外しができることがメリットではありますが、その分入れ歯が当たって歯肉が傷むことや、入れ歯が入っている違和感が気になることがあります。

歯科医師が調整することで、痛みや違和感・不快感を減少させることはできますが、最終的には入れ歯の感覚に慣れることも必要です。

最初は少し大変なこともありますが、必ず慣れていきますので根気よく入れ歯と付き合いましょう。

 

・入れ歯を支えるバネが目立つ

保険で作成する入れ歯はバネが金属で作成されるので、審美性は劣ってしまいます。

なるべく歯肉のきわに沿って作成されますが、大きく口を開けた時やニコっと笑った時などにバネが見えてしまうのがデメリットといえます。

金属のバネが気になる時は、自費で作成するノンクラスプデンチャーに変えていただくことで一気に審美性が高くなります。

 

・新しい入れ歯は６か月後に作成できる

保険で作成した場合、新しい入れ歯を作成するには６か月間期間を開ける必要があります。

もし６か月以内に新しい入れ歯が欲しい、予備の入れ歯をもう一つ作っておきたいなどのご要望があれば自費にて作成可能です。

 

・ほかの歯を少しだけ削る可能性がある

入れ歯を作成する際に、場合によっては入れ歯の沈み対策として入れ歯をひっかける部分（レスト形成）することがあります。

削る範囲も狭く、一部のみなので麻酔も必要ない程度ですが、歯を削ることに変わりはありません。

どうしても他の歯を削りたくない場合は、歯科医師にご相談ください。

 

・使わないと入れ歯の適合が合わなくなる

入れ歯は取り外しができるので、無くした時や面倒で入れなくなった時は適合が悪くなることがあります。

特に長期間入れ歯を入れないでおくと、残っている歯が動いていき、せっかく作成した入れ歯が使えなくなります。

夜寝るとき以外はなるべく入れ歯をはめておくようにしましょう。

 

・入れ歯専用の洗浄剤やお手入れが必要

ご自身の歯を磨いた後に、入れ歯もしっかり洗浄する必要があります。

入れ歯専用の義歯ブラシをご用意いただき、しっかりこすり洗いしましょう。

入れ歯洗浄剤に浸し、最近が繁殖しないように注意しましょう。

 

インプラントの特徴

インプラントは抜けた歯の骨に人口歯根を埋入し、その上に被せ物を組み込む治療法になります。

抜けた歯の部分だけにアプローチするので、隣の歯やほかの歯を傷つけることなく治療を行うことができます。

審美性に優れた被せ物を選択することで、見た目もよく入れ歯のように目立つことはありません。

人口歯根で歯の骨に直接埋め込むので、ご自身の歯と同じようにご使用いただくことができ、入れ歯と比べると硬い食べ物も噛みやすいです。

 

インプラントのメリット・デメリット

インプラントのメリット

インプラントのメリットは以下の通りです。

 

・天然の歯と同じような使い心地

インプラントの最大のメリットは、ご自身の歯と同じ使い心地でお食事が噛めることです。

入れ歯はプラスチックでできているので、硬い食べ物を噛むにはあまり向いていません。

インプラントの違和感や不快感もなく、楽しくお食事ができます。

 

・見た目がいい

インプラントは抜けた歯のスペースに直接歯を立てるので、審美的にも優れています。

被せ物の種類も多岐にわたり、ご自身の隣り合う歯の色に合わせる、歯の透明感やグラデーションなども再現できます。

入れ歯は支えるバネが目立つ、歯の色の選択も少ないので、ご自身の歯と同じ色にはなりにくいので審美性はあまり高くはありません。

歯の色もしっかり揃えたい、透明度も求めたい方など審美性も求める患者様はインプラントがオススメです。

 

・他の歯への影響がない

インプラントは抜けた歯のスペースのみにアプローチするので、両隣の歯や他の歯を傷つける心配がありません。

他の健康的なご自身の歯を絶対に削りたくない方は、インプラント治療がおすすめです。

 

 

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットは以下の通りです。

 

・費用が高い

インプラントは自費診療になりますので、保険で作成できる入れ歯と比べると高価です。

しかしその分保証制度を設けている歯科医院が多く、保証期間内であれば修正も可能です。（条件あり）

１０～１５年ほど長持ちするので、費用も総合的に考えて治療をご検討いただけるといいかと思います。

 

・メンテナンスが必要

インプラントは周りの歯肉が腫れる「インプラント周囲炎」になる可能性があります。

炎症を予防するためにも専門的なクリーニングや、インプラントに特化したセルフケアが必要になります。

しかしお口の健康を保つために、インプラントを入れていても入れていなくても定期的なクリーニングは必要です。

セルフケア方法も難しいわけではなく、歯科衛生士が丁寧にご案内いたしますのでご安心ください。

 

・インプラント適応ではない場合がある

インプラントは顎の骨に人口歯根を埋め込むので、顎の骨がしっかりしている方が治療の対象です。

精密検査のあと、場合によってはインプラント埋入が難しい場合もあります。

しかし当院はそのような方でも骨を再生しインプラントを埋入できる治療も扱っております。

・外科手術が必要になる

インプラント埋入には外科手術が必要になります。

基本的には大変な手術ではありませんが、どうしても歯肉を切るなどの外科的な処置は行います。

免疫力が低い方や、外科手術ができない方、苦手な方はインプラントの処置を行うのが難しいです。

体調面で心配な方は、担当の歯科医師や内科医師とも相談して診療方針を立てていきましょう。

 

・治療期間が長い

インプラントは人工歯根を顎の骨に入れ、なじむまで数か月ほど様子をみる必要がありますので治療期間が長くなる傾向にあります。

大体３～６か月ほどの治療期間を見ていただくと良いでしょう。

お急ぎの方は計画的にインプラント治療を行えるように、事前に歯科医師がしっかりと方針を立てますのでぜひお声がけください。

患者様のご希望に合った治療をご提案させていただきますので、インプラントを含めたほかの治療もご紹介いたします。

 

まとめ

1本単位の治療の場合は、入れ歯もインプラントもメリットがあることが分かりました。

患者様のご希望やライフスタイルによって、オススメの処置が変わってきます。

ぜひ歯だけでなく患者様お一人お一人のご希望をお聞かせください。

患者様にとってベストな治療を当院スタッフと一緒に考えていきましょう。

 

＊＊＊より詳しく知りたい方はこちら＊＊＊

＜入れ歯・義歯について＞

＜インプラントについて＞

＜入れ歯トラブルQ＆A＞

 

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