自費の入れ歯の種類
自費入れ歯の種類やメリットをご紹介します
金属床義歯
金属床義歯とは?
金属床義歯とは、強度に優れた金属を床に用いている入れ歯のことをいいます。
金属床義歯の特徴
薄くて快適
金属床義歯は保険の入れ歯の1/4程度の厚さしかありません!
この厚みの差が、入れ歯全体の大きさの違いとなり、違和感・嘔吐刺激の少ない金属床義歯になります。密着性にも優れ、ぴったり装着できるため、食事や会話も楽になります。
変形もなく、歯にも優しい
金属のフレームがとても強固で変形がないため、残った健康な歯に負担をかけないので、歯にとても優しいといえます。
とても頑丈で、長持ちします
金属のフレームがとても強固で変形がないため、入れ歯そのものがとても頑丈で、長持ちします。また変形がないので、入れ歯を入れても痛くなく、とても快適で、よく噛めます。
温度が伝わる
金属のため熱伝導率も優れており、食べ物の温度を瞬時に感じることができ、食感も楽しむことができます。
衛生的です
金属は雑菌や汚れがつきにくいため、衛生的にも優れた入れ歯です。
金属床義歯のQ&A
Q1.薄いとどうして良いの?
薄い入れ歯になると、違和感(異物感)が少なくなり、舌触りも良くなります。舌もスムーズに動きやすくなるので話しやすくなります。通常の保険の入れ歯ですと、2ミリ前後の厚さが必要となってきます。金属床の入れ歯の場合には、0.5ミリくらいの厚さも可能です。お口の中はとても敏感なので、髪の毛が入っても相当な異物感がありますよね。入れ歯がそれはど薄くできるのですから、想像以上の効果が感じられると思います。
いかに違和感を減らし、装用感を高めるか。それが金属床の大きなテーマといえます。
Q2.温度が伝わると良いの?
金属床の入れ歯の利点のひとつとして、金属の熱伝導性があります。食事時に感じる味覚として、甘い・にがい・酸っぱい・しょっぱい・などがありますが、熱い・冷たいなどの温度感覚も、味覚に大きく左右します。 金属床の入れ歯は、口蓋の粘膜や舌に対する温度感覚が良いため、味覚に大きな満足感を与えることができます。
Q3.残っている歯に優しい?
床(ピンクの部分です)には「人工の歯を受け止める土台」として、噛み合わせの強い力に耐えなければなりません。このため床の材料には高い強度が求められます。
入れ歯を維持・安定させる「ばね」部分入れ歯では、入れ歯が口の中で動かないように、「バネ」を床に設けます。
この「バネ」ですが、保険の入れ歯では、床とは別に製作し、入れ歯のレジン部分を固める前に、床に埋め込みます。
このため、どうしても微妙に位置関係のズレが生じてしまいます。これが残存歯に余計な力となります。
磁石式入れ歯
磁石式入れ歯とは?
磁石式入れ歯(マグネットアタッチメント義歯)は、入れ歯の土台となる歯根に「磁性金属(キーパ)」を取り付け、入れ歯側に「超小型磁石」を埋め込んだ入れ歯です。この2つの磁石の吸引力で入れ歯を吸着させることができます。
歯の無い方は、インプラント手術をすることで、お使いの入れ歯を磁石式入れ歯にすることができます。
磁石式入れ歯の構造と外観
磁石の構造
ばねの代わりに磁石の力で固定する入れ歯で、ぴったり吸着します。
磁石の外観
歯根に「磁性金属(キーパ)」を取り付け、入れ歯側に「超小型磁石」を埋め込んだ入れ歯です。
磁石式入れ歯の魅力
磁石でピッタリ固定!動かない・はずれない入れ歯
磁石1個の大きさは、米粒大程で最大800gのものが吊り上げられる力を持っています。磁石式入れ歯(マグネット義歯)では、入れ歯が落ちたり、口の中でガタガタ動くこともないので、食事もおいしくいただけます。会話も容易でカラオケも楽しめます。
歯にやさしい!
磁石は強い吸着力を持っていますが、歯に悪い横からの有害な無理な力がかかると外れるので歯根にとてもやさしいです。
取り外しが簡単!
強力な磁石によって、入れ歯を近づけるだけで所定の位置に吸い付くようにはまります。
見た目もスッキリ!
針金状の「バネ」がないので、見た目もスッキリと自然です。
お手入れが簡単!
歯が短いので清掃しやすく、また入れ歯もシンプルな構造になっているので、お手入れが簡単にできます。
グラつき始めた歯でも利用できる!
グラつき始めた歯でも、横からの力を逃がす磁石の性質を利用することで、歯根を利用できます。
従来の入れ歯を磁石式入れ歯にできますか?
従来の治療法
「バネ」で支える歯に、横からの有害な無理な力がかかり、グラグラになって抜けてしまうことがあります。
バネ式入れ歯では笑ったりした時に、「バネ」が目立って見た目が悪くなってしまうことがあります。
磁石式入れ歯の治療法
磁石式入れ歯(マグネットデンチャー)は、まだ治療していない歯はもちろん、すでに治療してある歯や歯根しか残っていないような歯でも利用できる優れた治療法です。
そのうえ「バネ」がなくなり、見た目がよくなります。しかも残っている歯にとてもやさしい入れ歯です。
また「バネ」と違い、磁石は着脱の方向が自由ですので、取り付けや取り外しがとてもラクです。
従来のバネ(クラスプ)による入れ歯の欠点
- 「バネ」がかかっている歯に負担がかかり、グラグラになってしまう。
- 「バネ」がかかっている歯が磨きにくいので、汚れがつきやすく虫歯になりやすい。
- 「バネ」が目立って、見た目もよくありません。
磁石式入れ歯(マグネット式義歯)にすると、そうした弱った歯を抜かずにその歯根を利用して、安定した優れた入れ歯にできます。このように自分の歯を有効活用できるうえに、バネがいらなくなるので、手入れもラクで自然で美しい口元を取り戻せます。
歯が2~3本残っている方へ
歯が2~3本しか残っていませんができますか?
残っている歯を利用して磁石式入れ歯(マグネットデンチャー)にすることができます。磁石式入れ歯は歯にやさしい固定方法なので、歯根しか残っていないケースや多少状態が悪くなっている歯でも抜かずに利用することができます。
また、インプラントをして磁石の数を増やすと、さらにしっかり吸着する入れ歯になります。上顎で嘔吐感の強い方には、口蓋を覆わない、違和感の少ない入れ歯にすることもできます。
従来の治療法
最後に残った数本の歯も、「バネ」でゆれてきてしまい、うまく噛むことができません。そのうえ見た目もとてもよくありません。
歯が抜けてしまったら、入れ歯を支える歯がなくなります。そうなると入れ歯の安定性がますます悪くなります。
歯が2~3本しか残っていなくても、磁石式入れ歯(マグネット義歯)なら、歯にやさしく安定した入れ歯になります。そのうえ見た目もよく、スッキリします。
上顎の磁石式入れ歯なら、入れ歯を小さくできます。
上顎では、3~4本以上磁石があれば、口蓋を覆わない嘔吐感のない入れ歯にできます。口蓋部分がない入れ歯なので、とても違和感も少なく、味覚も損なわれません。
残っている歯が少ない場合、インプラントをして磁石の数を増やすことも可能です。
歯が0本の方へ
インプラント・磁石式入れ歯とは?
インプラント・磁石式入れ歯(インプラント・マグネットデンチャー)とは、優れた治療法である磁石式入れ歯とインプラントを組み合わせた最先端の入れ歯です。
すなわち、インプラント側に「人工歯」ではなく「キーパ(磁性金属)」を被せ、入れ歯側に「(超小型)磁石」を取り付け、磁力により入れ歯をしっかりと固定する方法です。
下記の方へお勧めです。
- 食事中に入れ歯が浮き上がる方
- 何度調整しても、入れ歯があわない方
- 入れ歯を安定させ、噛めるようにしたい方
- 歯ぐきの骨がなくなってしまい、通常のインプラント治療が適さない方
- 部分入れ歯の「バネ」が気になる方
- 部分入れ歯の「バネ」がかかっている歯に負担をかけたくない方
「インプラント・磁石式入れ歯」と「通常の入れ歯」の違い
- よく固定されてズレなくて何でもよく噛めます。
- 取り外し式なので清掃性がよい。
- 審美的にも自然な入れ歯になる。
- 床の面積が小さくできるので、食べ物の味や温度が伝わりやすい。
総入れ歯のインプラント・磁石式入れ歯
通常の入れ歯の治療法
歯が1本も残ってなく下顎の入れ歯が動いて、安定しないので、よく噛めません。
インプラント・磁石式入れ歯を使った治療法
2~4本のインプラントを植立し、インプラント側に「キーパ(磁性金属)」を被せ、入れ歯側に「(超小型)磁石」を取り付け、磁力により入れ歯をしっかりと固定できます。(上顎の場合は4~6本で口蓋を覆わない入れ歯になります)。
部分入れ歯のインプラント・磁石式入れ歯
通常の入れ歯の治療法
笑ったりした時に、「バネ」が目立って見た目が悪くなってしまう。またその歯に負担がかかるが心配です。
インプラント・磁石式入れ歯を使った治療法
インプラントと磁石式入れ歯を併用することでよく噛めるようになります。そのうえ「バネ」もなくなるので、見た目がきれいになります。しかも残っている歯に負担がかかりません。
「通常のインプラント」と「インプラントの入れ歯」の違い
多くのインプラントで歯を1本1本入れるよりも、本数が少なくて済み、経済的です。通常のインプラントより手術時間も短いので、ご年配の方には、体や精神面の負担が少ない。骨が少なく通常のインプラントが困難な場合にも適しています。
磁石式入れ歯の治療の流れ
磁石式入れ歯の治療の流れを説明します。治療は簡単です。
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ステップ.1 歯の診断
まず、レントゲンで歯の診断を行います。グラグラしている歯が使えるかどうかを診断します。
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ステップ.2 歯根の治療
残した歯根に、磁石を吸着する「磁性金属」を取り付けます。
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ステップ.3 入れ歯の製作
入れ歯側に磁石を埋め込みます。磁石と磁性金属が吸着して、入れ歯を固定します。
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ステップ.4 入れ歯の製作
磁石式入れ歯はよく噛めます。歯根は有害な力がかからないため安定します。しかも、着脱が簡単で、取扱いも容易です。長く使えるようにアフターケアが大切です。
シリコーン義歯
シリコーン義歯とは?
シリコーン義歯(シリコンデンチャー)とは、歯ぐきに触れる部分(入れ歯の内面)に弾性シリコーン(軟らかい素材)を使った入れ歯のことをいいます。そのため、軟らかい歯ぐきにやさしく、抜群のフィット感を得られます。歯ぐきとの間に隙間ができにくく、痛みの原因となる食べカスが入りにくい利点があります。
シリコン義歯の利点
痛くない!
弾性シリコーンが、歯肉に触れる面を覆っているので、歯茎にかかる負担を減らし、噛んだ時の痛みをやわらげます。
よく噛める!
弾性シリコーンのクッション性により、歯茎や残っている歯にピッタリと合うので、隙間ができにくくなり、よく噛みしめることができます。
はずれにくい!
弾性シリコーンが、吸盤のような役割を果たし、食事や会話の際にもはずれにくくなります。
なぜ痛くなく、よく噛めるのか?
弾性シリコーンが、歯肉に触れる面を覆っているので、歯茎にかかる負担を減らし、噛んだ時の痛みをやわらげます。歯ぐきの下には、硬い顎の骨があり、表面的な歯ぐきの形と異なります。骨が尖っているところは、歯ぐきも薄く、痛みを生じやすくなります。歯ぐきの形を正確に入れ歯に再現しても、骨の形までは再現できません。弾性シリコーンのクッション性により、歯茎に密着するので、しっかりと噛みしめることができ、噛む力が増大します。
なぜはずれにくいのか?
従来の硬いプラスチック製の入れ歯では歯ぐきに吸い付かせることはとてもむずかしいとされています。自分の歯が残っていれば、金属のバネをかけて入れ歯を固定することができます。総入れ歯の場合は、自分の歯が一本も無いため、歯ぐきに吸い付かせて固定するしかありません。ちょうど、吸盤と同じ要領で吸い付かせるわけです。
しかし、柔らかな弾性シリコーンで覆われた入れ歯は、入れ歯そのものが吸盤のように作用するので、歯ぐきに吸い付かせることが可能となります。
ノンクラスプ義歯
ノンクラスプ義歯とは?
ノンクラスプ義歯(ノンクラスプデンチャー)とは、金属の「バネ」の代わりに、歯肉に近いピンクの樹脂によって固定する部分入れ歯です。
歯ぐきに同化するため、入れ歯をしていることも目立たなくなります。(少なくとも、よほど近くで見ないとわからないくらいになります)
また、入れ歯が歯ぐきに食い込む場合は、メタルレスト(沈下防止)を付けることにより、快適にご使用いただけます。ノンクラスプ義歯は、スマイルデンチャー、ナテュラルデンチャーとも呼ばれています。
ノンクラスプ義歯の長所
審美性が良い
金属の「バネ」がないので、入れ歯であることが分かりにくい。また素材が半透明なので境目が分かりにくい。
残存歯を痛めない
金属の「バネ」がないので残った歯の余計な負担を軽減し、痛めることが少ない。
破折しにくい
特殊な樹脂で出来ており、柔軟性があるので衝撃に対しても割れにくい。
ノンクラスプ義歯の短所
- 噛むときに最も負荷がかかる部分が樹脂であるという性質上、「ばね」を使う保険の部分入れ歯より耐久性が劣ります。
- 金属を併用しない場合、支持力が劣る。
- 金属を併用しない場合、噛んだ時にたわむことがある。
- 保険が適用できないため高額である。